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犬は飼い主の声を聞き分けている?科学が明らかにした犬の驚くべき能力
愛犬に話しかけたとき、こちらを振り向いてくれたり、嬉しそうに尻尾を振ってくれたりすることってありますよね。
でも、犬は本当に飼い主の声を聞き分けているのでしょうか?と思ったりしませんか??
実は、この疑問について科学的に調べた興味深い研究があったんです。
2022年、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学の研究チームが、犬は飼い主の声だけで、その人が誰なのかを識別できることを報告しました。
研究では、28組の犬と飼い主が参加し、飼い主と知らない人の声を録音して、犬に聞かせる実験が行われました。
驚くことに、犬たちは姿が見えず、においも手がかりにならない状況で、飼い主の声が聞こえる方向を高い確率で選んだんです。
さらに興味深いのは、犬たちが声の何を手がかりにしているのかという点だと僕は思います。
僕たち人間は、声の高さや響き、話し方などから相手が誰なのかを判断しています。
研究によると、犬も声の基本的な高さや、声帯の振動に生じるわずかな揺らぎなどを手がかりにしている可能性が示されました。
つまり、犬は単に「おいで」「ごはん」といった言葉を覚えているだけではなく、声そのものに含まれる特徴から、誰が話しているのかを判断できるんです。
これは、犬の聴覚と情報処理能力の素晴らしさを示す研究だと思います。
ただし、ここで一つ大切なことがあります。
声を聞き分けられることと、飼い主の言葉や気持ちをすべて理解していることは、同じではありません。
犬は人間とまったく同じように言葉を理解しているわけではありませんし、声だけですべての感情を読み取れると証明されたわけでもありません。
それでも、日頃から聞き慣れている飼い主さんの声が、犬にとって特別な情報になっていることは、とても興味深いことです。
僕は犬専門のアニマルコミュニケーターとして、犬と人との関係について日々考えています。
犬とのコミュニケーションというと、どうしても「犬が何を考えているのか」「犬の気持ちをどう理解するのか」ということに意識が向きがちです。
でも、僕たち人間が犬に対して何を伝えているのか、という視点も同じくらい大切なのではないでしょうか。
愛犬に名前を呼びかけること。
何気なく「おはよう」と声をかけること。
一日の終わりに「今日もありがとうね」と伝えること。
このこと!で心は簡単につながったりするものなんです。
言葉の意味を犬がどこまで理解しているのかは、簡単にはわかりません。
けれども、犬は僕たちが思っている以上に、一人ひとりの声を細かく聞き分けているのかもしれません。
そう考えると、毎日の何気ない声かけも、少し違って感じられますよね。
犬との暮らしには、まだまだ科学でも解明されていないことがたくさんあります。
だからこそ、僕は犬の気持ちを大切にすると同時に、科学から学ぶ姿勢も持ち続けたいと思っています。
今日もぜひ、愛犬ちゃんに優しく名前を呼びかけてみてください。
その声は、愛犬にとって、ほかの誰とも違う「あなただけの声」の大切な声と言葉なんだから……!と思います。
参考文献『Animal Cognition』
研究論文:The acoustic bases of human voice identity processing in dogs
犬専門アニマルコミュニケーターKoKo